RAIDディスクアレイ

昨今ではPCシステムを組み上げる際にRAIDを組むことは珍しくない。
RAIDは複数のHDDを使用し、一台の仮想大容量HDDを作成し、データ保存、書き込みの効率化を狙うもので、そのスタイルには幾つかが存在する。
RAID0, 1 5あたりが有名。

詳しくはwikiを。
http://ja.wikipedia.org/wiki/RAID

ここではノンリニアで多様されるRAID 0について記述する。RAID5はバックアップ性は高いし信頼がおけるのはわかるが、書き込み速度が遅く、キャプチャ時にフレーム落ちが発生する可能性がある。更にRAID5で書き込み速度を維持させる事を考えるなら最低でも500GBx8台からの構成が必須だし、2K、4Kが当たり前になってきているこの世界ではこれでは足りない位だ。更にRAID5を内臓RAIDで組むのには正直意味があるのかがわからない。

内臓でRAIDを組む場合、HDDの台数にもよるが、相当の電力を消費する事になる。特に書き込み時に。電力が足りなくなればマシンは突然落ちるし、さすがのRAID5だってバックアップの取りようがない。

「PCマシンの電力750W程度でRAID5です。キャプチャしています。すぐにPCが不安定になったりキャプチャがうまくできないんですがなぜですか?」

・・・・・・・・当たり前です。としか言いようがない。
キャプチャユニットによってはGPUにプレビュー出力を依存するし、GPUによっては恐ろしい位の消費電力が発生する。更に同時に複数のHDDを動かせば尚更だ。

RAID5を組むなら最低でも8ドライブ外付けがお勧め。
Caldigit HD ProやYan電気RAID trustyなどがお勧め。いずれも百万超える初期投資だけど。

さて、本題。
RAID 0を組んでノンリニアってのは良くあるパターン。
しかし、本当にそのRAID 0は速いのか?

映像編集の場合、RAIDを組むことによって得られる恩恵はディスク転送速度の向上だ。
キャプチャしてデーターストリームとなったデーターをHDDへ記録していく際に、どうしても映像コーデック次第で転送レートが変わってくる。
代表的なのがHD1080i59.94非圧縮10bit。
転送レートは秒間にして最低でも158MB/sの転送レートが必要となる。

これはあくまで最低ラインなのでぎりぎりを狙うとすぐに速度が落ちる可能性がある。
更に書き込みが進んでいけばHDDの転送速度は落ちる一方なので、最低でも250MB/s、できるなら300出せれば安心だろう。

また、キャプチャ用のディスクアレイとデーター保存用のディスクアレイは別に用意したいところだ。プレイバックよりもキャプチャ
の方が転送速度を必要とするし、データー保存によりディスク領域が確保できなくなると転送速度は必然的に落ちていくので。


さて、これはご存知の通りHDD。HDD内部にはプラッターと呼ばれる円盤状のディスクが存在し、これにデーターを書き込んで行く。
HDDによっては4枚のプラッターを装備して同時に4枚への書き込みを開始する事で転送速度を高めているディスクもある。


ようはHDD自体にも内部にRAID 0のような構成があると思えば良い。
たとえば・・・ 1TB 7200rpm 2プラッターのディスクと、1TB 7200rpm 4プラッター のディスクで構成したRAID 0の場合どちらが速いか?
ここまで読まれた方ならわかると思うが4プラッターの方が速い。

HDDは書き込みを1つのプラッターへ行うのではなく、全てのプラッターへ同時に分散して書き込みを始める。
そのため分散処理はプラッターが多い方が有利であり、データー書き込み処理はプラッターが多い方が速い、という話になる。

RAID 0を組んでいるエディターとかにチョロっと話を聞くと、1TB HDD2枚で2TBのRAID 0を構成している、という話を聞くが、合計容量にばかり
気を取られてHDD自体の構成を全く見ていない人が意外に多い。
同じ2TBでも500GB4枚で構成した方が、結果として同時に書き込みができるプラッター数が多いので結果的にはそっちの方が速くなる。
RAIDコントローラーにもよるが)

速度重視でRAID組むならRAID 0だが、構成するHDDにも気を使う必要がある。
RAIDコントローラーには結構気を使う人が多いが実際に使うディスク構成にも気を付けよう。